木古内町観光協会のfacebookページで4月24日にお知らせされていましたが、5月5日、木古内町内の札苅(さつかり)という地区に民俗資料を集めて展示する『澤谷民俗資料室』がオープンしました。
ただ、民間の方が本業の傍らで運営しているということもあり、日曜日のみの事前予約制となっています。そのため、近所に居ながらなかなか見学に行けず、もどかしい思いをしていました。ところが、たまたまシフト休みの日が日曜日に当たったため、喜び勇んで行ってきました。
まずは場所から
場所的には、道南いさりび鉄道札苅駅と木古内駅の間、やや札苅駅寄りの国道228号沿い。5月下旬頃までカラフルな芝桜が見事に咲いていた「札苅村上芝桜園」から少し木古内駅寄りです。
▼ 目印はこの看板
▼ 昔懐かしい形の郵便ポストが玄関先にある家屋が「澤谷民俗資料室」です。
▼ こちらがご主人の澤谷さん。
目印の看板にあった「澤谷電工」を経営しつつ、ライフワークとして若い頃から様々な史料を収集してきたそうです。その集大成として、ここ澤谷民俗資料室で一般公開されています。
前述の通り、本業があるため、日曜日のみ、それも事前予約制の開館となります。
しかし、歴史的な史料は詳しい説明があって初めて理解できるものでしょう。この資料室では澤谷さんが一つ一つの基本的な説明はもちろん、それらを入手した経緯を含めて様々な側面からも教えてくれます。そのため、時間があっという間に過ぎてしまいます。(実際に、私がお邪魔した時は話が弾み、いつの間にか2時間も経っていました。)
中の様子は
▼ 館内の全体像はこちら
元々、古い民家だった家屋を数年かけて地道に改装し、展示室にふさわしい内装に変えたそうです。
▼ この照明へのこだわり。分かります?
本業の技術を活かして、照明機器の形状どころか、配線という目立たない所にも気を使っているそうです。
その他、トイレの床板や倉庫室の物品棚など、こだわりのしつらえが随所に見受けられます。
展示品とは関係ないけど、建物の作りや設備で「ん?これは?」と思ったら、澤谷さんに聞いてみてください。喜んで教えてくれますよ。
展示品の数々
本題の展示品に話を移します。澤谷さんの守備範囲は実に幅広く...
▼ 縄文遺跡からの出土品から
▼ 江戸時代の家庭用品から
▼ 切子細工から
▼ 古銭から
▼ その古銭に関わる松前藩政時代の遺品から
▼ 箱館戦争で使われた鉄砲まで
実に幅広いジャンルの民俗資料が揃っています。
▼ 特に珍しいのがこちら。箱館戦争の絵図です。
▼ 澤谷さんを関係者間で有名人としている所以がこちら、砂金掘り関連です。発掘した昔の道具類もあります。
まだまだあります
この中には全部で2,000点程が展示されていますが、実はこれでもほんの一部なんだそうです。別の場所にはまだまだ多くの史料が控えており、今後は状況に応じて少しずつ展示品の入れ替えを考えているとのことです。
一度見学だけで満足した気になってはダメですよ(笑)
最後に
いかがでしたでしょうか。
実に多様なジャンルの貴重な品々を、丁寧なガイド付きでじっくりと見学することができます。しかも無料で。
ただし、お一人できちんと丁寧に対応することを心がけていることから、一日の内で受け入れ可能な人数はどうしても限られてくるそうです。こちらも「客だから」という意識ではなく、「同好の士」として、節度を持って見学させてもらうぐらいの心構えが適しているのでしょうね。
施設データ
- 施設名:澤谷民俗資料室
- 営業時間:9:00~17:00
- 営業日:毎週日曜日 (完全事前予約制)
- 料金:無料
- 住所:北海道上磯郡木古内町字札苅152-2
- 電話:01392-2-3254
- 駐車場:無料 (敷地内)
- アクセス:木古内駅南口から車で約6分、3km
- 備考:電話による事前予約が必要 (最悪前日までに)