観光案内でよく聞かれることの一つがこちら。
Q:「近所で海鮮を食べられるお店はある?」
いわゆる、函館朝市などの海鮮丼あたりをイメージされての質問だと思われます。
北海道グルメ、特に漁業が盛んな道南ならではのグルメとして、ボリュームたっぷり、かつ新鮮な海鮮料理がイメージされるのは御存知の通り。
遠方からいらしたお客様からすると、木古内と函館は同じエリアに見えますしね。(実際は40km近く離れています。信号が少ないので1時間かかりませんが。)
しかし、意外に思われるかもしれませんが、函館など大都市以外のエリアでは海鮮専門店は少なかったりします。あまり観光地化されていない地域では、飲食店利用客の大半を占める地元客は海鮮ばかりを食べてる訳じゃありませんからね。
とは言え、お客様が海鮮をお求めなのであれば、何とかしてお応えしなければなりません。
もし、お客様のお時間に余裕があったり、移動手段がクルマだったりする場合は、観光コンシェルジュの専門エリアである「道南西部9町」まで対象エリアを広げてご紹介しています。(それでも選択肢がそれほど増える訳ではないのですが...)
しかし、「すぐ食べたい」とか「次の新幹線までそんなに時間がない」とか「歩いて行ける範囲で教えて」といったお客様の場合には、やはり近所のお店の中からとなります。
でも木古内駅前に海鮮丼のようなメニューを豊富に用意しているお店はありません。
ではどうするか? ということで、ある意味では海鮮専門店でもあるお寿司屋さんに着目してみました。
▲ 今回ご紹介するのはこちら
木古内駅前エリアにある『清本鮨』(きよもとずし)
木古内駅南口から徒歩5分、約300mといった所でしょうか。
ところで、「お寿司屋さんだと高くつきそう」というイメージを抱かれているかもしれません。でも、それは固定観念です。
木古内のお寿司屋さんでは、比較的リーズナブルにボリュームたっぷりの海鮮を味わうことができるんですよ。
例えば「生ちらし寿司」とか。
▲ 店主の原さん。和やかに会話を楽しみつつ、でき上がりを待つことができます。
▲ 目の前には新鮮なネタが並ぶガラスケースが。
店主さんにこだわりを伺うと、寿司ネタの下に敷いている氷には気を使っているとのこと。この氷次第でケース内の温度や湿度が適正に保たれるかの分かれ目になるそうです。確かに薄くて長い氷が見えますね。
また、寿司ネタについては、40km近く離れた函館市内の市場まで毎朝クルマを走らせ、自分の目で選び抜いたものを提供しています。クルマで1時間もかからないとは言え、毎朝となるとさすがに大変でしょう。でも、これもこだわりなんだそうです。
▲ 木古内で長く続く老舗ならではの熟練の手さばきが、目の前で繰り広げられます。
ランチにピッタリ!「特選 生ちらし」
冒頭の事情(旅行客の海鮮好み)を伝えた上で、いわゆる海鮮丼にイメージが近いものとなると、「やはり生ちらしでしょう」ということで、この「特選 生ちらし」が出てきました。
色とりどりの寿司ネタが鮮やかに輝き、とても美味しそうですね。
マグロ、サーモン、アワビ、カニ、数の子、シマエビ、ホタテ、ヒラメ、ホッキ、イクラ、そしてウニ!
どれも滑らかな舌触りを楽しめる上に、ネタの種類も多いので食べ飽きることもありません。
これにお吸い物が付いて2,000円+税。しかも熟練のお寿司屋さん謹製!
リーズナブルですね~。
尚、前述の通り毎朝お魚を仕入れに行っているので、その折々の旬のお魚を中心に品揃えが随時変わることをご了承ください。
ちなみに、6月からはスルメイカ漁が始まります。道南を代表する味覚であるイカも早く味わってみたいものです。(取材および記事作成は5月時点)
寿司屋のカウンターならではの交流も
このページの取材をしている最中に、別のお客様がご来店。スーツ姿のお二人様で、同じカウンターの並びに着席されました。
その方々からは、聞くともなく聞き覚えのある言葉が聞こえてきます。木古内町の観光パンフレットを見ながら、お二人であれこれお話しされているようです。
どうしても気になって、失礼とは承知しつつも横から口を挟んでしまいました。これも観光コンシェルジュの性でしょうか。
お話を重ねていくと、色々と分かってきました。お二人は札幌からお仕事で道南エリアに来たそうですが、木古内駅前の道の駅("道の駅")で観光パンフを調達して、同パンフに掲載されている清本鮨さんまでランチしに歩いて来たそうです。
やはり海鮮系が食べたかったそうで(笑)
店主の原さんも交えてお話する内に、カウンターに「みそぎの舞」や「田酒」が並んでいたことから、日本酒についての話が弾みます。木古内が誇る地酒「みそぎの舞」もご存知で、道内各地の知られざる銘酒にまつわる会話が途切れません。
お互いに仕事中だったので、お酒を酌み交わしつつ、とはいかなかったのが非常に残念!(泣)
このように、同じカウンターで席を並べた別のお客様や店主さんを交えて、幅広い会話を楽しむことができるのも寿司屋ならではの魅力でしょうね。
店舗データ
- 店舗名:清本鮨
- 営業時間:11:30~22:00 (午後休憩無し!)
- 店休日:毎週月曜
- 住所:北海道上磯郡木古内町字本町60
- 電話:01392-2-2371
- 駐車場:無し
- アクセス:"道の駅"から徒歩4~5分
- 備考:宴会等で貸切営業になることがあります。
※本ページ記載の情報は取材時点のものです。これらの情報は予告なく変更となることがあります。